テクニカル分析手法を仮想通貨から見てみる(EMA/SMA/BBands/一目均衡表/RSI/MACD)

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目次

はじめに

株とか仮想通貨売買を適当に初めたのは良いが、何を買ったら良いのか分からない。 優待や人気銘柄を買ってみたり、安いクソ株買ったりして来ましたがしっくりこない。 猿がダーツ投げて銘柄決めるようなやり方だと近いうちに大損するだろうと肌感覚として持っています。

各テクニカル分析手法の特徴から得意不得意を知り、刻一刻と変わる相場に対し適切な判断基準を選べるようになることが今回の趣旨です。

なお、今まで作ってきた仮想通貨取引システムにこれらの機能を順次実装していく予定です。

単純移動平均線(SMA:Simple Moving Average)

指定した期間の終値の平均を算出して株価や通貨価格を算出する方法です。 例:1日目 10円、2日目 20円、3日目 30円のように株価が変化する場合はこうなります。

$$\frac{10+20+30}{3日間}=20円$$

この計算式で毎日平均値を求め、算出結果を線で結んだものが移動平均線と呼ばれます。 期間を複数用意し、長期(30日間)~短期(例:7日間)として平均を算出しています。

ゴールデンクロス:長期の移動平均線を、短期がの移動平均線が超えた瞬間前後を指す。 デットクロス:短期の移動平均線を、長期の移動平均線を下回る瞬間前後を指す。

ゴールデンクロス

イメージするとこのような価格移動するケースが該当します。

指数平滑移動平均線(EMA:Exponential Moving Average)

直近の価格情報をより強く反映させるようにした移動平均線です。 基準日から遠い価格情報に対し指数関数的に減少させた平均値を使い算出します。

移動平均

n日間の指数平滑移動平均を出す場合

$$1日目=(当日も含む)n日の終値平均$$ $$2日目=前日の指数平均移動平均+α×(当日終値-前日指数平均移動平均)$$ $$※α(平均定数)=2+(n-1)$$

$$\frac{10+20+30+30}{3日間+1日}=22.5円$$ 近日の価格に重きを置いているので、単純移動平均線では仮想通貨に良くある突発的な急上昇や急下降に対応できないのではないかと思い調べました。

ボリンジャーバンド(BBands)

相場が正規分布に従うことを前提として価格がボリンジャーバンドの範囲内に収まるであろう範囲を算出します。

移動平均線を基準に算出し、移動平均線との乖離が大きくなり、ボリンジャーバンドの範囲から外れた場合に、売り買いを決めます。

今回のケースに当てはめる場合 $$標準偏差=\sqrt\frac{期間×\sum価格^2 - \sum価格^2}{期間×(期間-1)}$$ このような計算式になるかしら。

このような大層な名前が付いていますが、移動平均線の標準偏差を求めたもののようです。

移動平均線の標準偏差

標準偏差

一言でいうと「データがどの程度平均値の周りにばらついているか」を表す指標です。 例えば、平均点が70点のテストであれば下限値は大体50点ぐらいに収まることが、指標から読み取れたりします。

$$標準偏差=\sqrt分散$$ $$\sigma=\sqrt{\frac{1}{n}\sum^{n}_{i=1}(x_i - x)^2}$$

過去の価格情報が一定しているときの予測には良いですが、急騰、急落に対しては早く売りすぎて儲けが減った等に繋がる要因となりそうだなと見ています。

一目均衡表(Ichimoku Cloud)

異なる日数から計算した5本の線でできたテクニカル分析指標です。 5本の線を使うことで「トレンド転換時期」「上げ止まり、下げ止まり」を判断する基準となります。 ローソク足チャートと同様に純国産のテクニカル分析指標だと言われているそうです。

$$基準線=\frac{(当日を含む過去26日間の最高値+最安値)}{2}$$ $$転換線=\frac{(当日を含む過去9日間の最高値+最安値)}{2}$$ $$先行スパン1=\frac{(転換値+基準値)}{2}を26日先行$$ $$先行スパン2=\frac{(当日を含む過去52日間の最高値+最安値)}{2}を26日先行$$ $$遅行スパン=当日の終値を26日間遅行$$

先行スパン1,2の間の区間を雲と呼びます。

元は株価に対して使われていた分析指標なので26日や9日という日数は仮想通貨に向けてチューニングして使う必要があるのかなと見ています。

売買のタイミングは沢山あるのですが、よく言われている3種類がこちらです。 1.転換線が基準線を上抜けたとき 2.遅行スパンがローソク足を上抜けたとき 3.ローソク足が雲を上抜けたとき

この3つが揃った状態を「3役好転」と呼び強いタイミングです。 麻雀で言うところの混一色みたいなもんです。

下抜けしたときは売りのサインとなるようです。

また、トレンドの転換期を見る際は、 先行スパン1,2が交差するところが相場の転換点となる可能性が高いそうです。

一目均衡表(Ichimoku Cloud)

Relative Strength index (RSI)

買われすぎ、売られすぎを示す指標となります。 ある一定期間(14日が多く使われる)において、どの程度上下しているかを示すものとして100分率で計ります。

$$RSI=\frac{14日間の値上がり幅合計}{14日間の値上がり幅合計+14日間の値下がり幅合計}×100(\%)$$

Relative Strength index

一般的には70%以上が買われすぎ、30%以下になると売られすぎのシグナルとなります。

Moving Average Convergence Divergence(MACD)

短期と長期の指数平滑移動平均線を基にトレンドの方向及び、転換を示す指標として使用されています。

$$MACD=短期EMA-長期EMA$$ 短期と長期の乖離幅を求めます。

$$シグナル=MACDの指数平滑移動平均線$$

短期を12日間の指数平滑移動平均線を基に示し、 長期を26日間の指数平滑移動平均線で基に算出します。 なお、シグナルは9日間をベースにするのが一般的です。

また、$MACD=0$はトレンドの転換する地点といえる。 $短期>長期$の場合は、上昇トレンド $長期>短期$の場合は、下降トレンド  と読み解くことができます。

Moving Average Convergence Divergence

まとめ

よく使われているテクニカル分析手法について書いてみました。 いかがでしょうか。正しく理解できているかも不安なところもありますが… どの分析手法も共通して急騰し続ける場面や、急落し続ける場面に弱いのではないかと思います。

自動売買アルゴリズムだと、間違いの売りや買いのシグナルを出す数を減らすことが必要だと思います。 例えば、売買の波が急騰急落しているときは手を出さないように保険を書けたり、 どうやるかイマイチピント来ていないですが、相場が安定していることを検出するのが重要だと考えています。

かなり楽しくなってきましたね。

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